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下心

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うちの居間には仏壇がある。ご先祖様にはお願いごとをしてはいけない、もちろんわたしたちのことを見守ってくださっていて、悩める時には導いてくださるだろうが、願いごとをいろいろとかなえてくれる力は先祖の霊にはないのだと教わった。そのため、仏壇に手を合わせるときには近況報告をするだけにしている。


最近、姪が二歳にしてすでに信心深いことを知った。仏壇の前に座ってお祈りしろとわたしに言うので、この命令に喜んだ叔母がいそいそと座り仏壇に声をかける間もなく、今度はどいてと言う。背筋をぴんと伸ばしてちんまりと完璧な正座をし、殊勝にも小さなお手手を合わせて座っている姿には、何を考えているのかは知らないが胸を打たれるものがあった。


もうひとりの健在にしている祖母に姪を会わせに
最近兄が青森まで連れていったのだが、どうも祖先崇拝の教えを少しやりすぎてしまったのではないか、とふと思った。この仏壇におじいちゃまおばあちゃまが住んでいるのよ、とわたしが姪に教えたので、仏壇にも表敬訪問をしなければならないと彼女は思ってしまったのだろうか。鉄は熱いうちに打てとやらで、今では立派に敬虔な仏教徒である。


いや、これはキリスト教の教えもあるのかもしれない。姪はとても素晴らしい保育園に通っているのだが、クリスチャン系の保育園で、園歌にも「天の神様に感謝します」というようなくだりがあることを運動会の日に知った。どうやら祈りの時間もあるらしい。最近では、姪はたまに園歌の特にその部分を家でも歌うようになった。間違った文節で息をのむ幼児の歌い方が何とも愛くるしいのだが。


そういったことをわたしがつらつらと考えているうちに、姪が小さな手をさげて、「カキちょうだい」と言って両手を仏壇のほうに差しだした。仏壇にはてらてらと光る大きなオレンジ色の柿がお供えしてあった。

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